2025年3月卒業・修了予定の大学・大学院生を対象にした「就職人気企業ランキング」11~20位。学情が発表した

 マンガから文芸まで幅広いジャンルを扱い、3大出版社とも言われる講談社、集英社、小学館はもともとマスコミ志望者からの人気は高かった。それに加えて講談社は「進撃の巨人」、集英社は「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」、小学館は「名探偵コナン」などメディアミックスに成功した人気コンテンツを持ち、デジタルシフトにも積極的に取り組んで堅調な業績をあげていることから幅広い支持を得たとみられる。3大出版社を追うKADOKAWAはゲームの「エルデンリング」が世界的にヒットし、業績を引っ張った。昨年の88位から53位となったサイバーエージェントもアプリの「ウマ娘 プリティーダービー」が、一時期の人気は落ち着いたものの業績を引っ張っている。印刷会社大手の大日本印刷とTOPPANは業務の多角化も進め、大日本印刷は6位、TOPPANは23位にランクイン。コロナ禍を経て、社会情勢に左右されず安定して人気を保ち続けるコンテンツ業界への注目度がより高まったとみられる。

旅行・航空業界も復調

 コンテンツ業界以外では、食品業界の人気も例年通り高く、200位以内にマスコミ業界の29社に次ぐ26社がランクインした。ただ、業界は原材料が高騰し値上げラッシュが続いたことからやや逆風気味ということもあり、サントリーグループが36位(前年30位)となるなど昨年からは順位を落とした企業が目立った。そのなかでも、味の素は理系ランキングで昨年に続き1位となっている。

 コロナ禍を抜け出した旅行・航空業界の人気は復調の一途で、JTBグループは昨年の13位から今年は11位、ANAは49位から27位、JAL(日本航空)は77位から55位、日本旅行は87位から48位に順位を上げた。特にホテル業界はインバウンド客の復活を受け、過去最高の19位にランクインした星野リゾート・マネジメント、81位から30位まで上昇したディズニーホテルを運営するミリアルリゾートホテルズなど順位を上げた企業が目立った。一方、交通系でも鉄道業界はビジネス利用の低迷が続き、JR東海、東日本、西日本はいずれも昨年から順位を下げている。

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