2025年3月卒業・修了予定の大学・大学院生を対象にした「就職人気企業ランキング」21~30位。学情が発表した

 かつては人気上位の常連だったメガバンクは、昨年初めて3行とも100位圏外になった。今年は三菱UFJ銀行が84位と唯一100位以内に戻ったものの、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループの2行は100位以内に返り咲けなかった。また、生保・損保業界では12位になった東京海上日動火災保険以外は200位圏外となっている。一方、証券会社はみずほ証券やSMBC日興証券が昨年から100位以上順位を上げた。低金利時代でもメガバンクの業績は好調だが、新NISA制度スタートなど「貯蓄から投資へ」という流れが強まり、それがランキングの変化に表れているようだ。

巣ごもり需要も影響か

 かつては人気上位だった電機メーカーは、ソニーグループが16位にランクインした。そのほか注目したいのは、総合ランキングで18位に入り、理系ランキングでは昨年の24位から大きく順位を上げ10位に入ったアイリスオーヤマだ。電気機器・精密機器業界のランキングでも昨年に続き、ソニーグループに次いで2位となった。日用品や家具から家電まで幅広く手がけ、コロナ禍で巣ごもり需要を取り込み、業績を伸ばしたことがアピール材料につながったようだ。

 また、IT業界の人気が上がってきているのもポイントだ。理系ランキングをみるとテレビCMも展開しているシステム開発大手のSky、エンジニアを積極採用しているアウトソーシングテクノロジーといったIT系企業が順位を上げてランキング上位に入っている。総合ランキングでもIT業界は200社中16社がランクインし、昨年から順位が上がった企業も多い。生成AIなど社会のデジタル化が加速するなか、それに対応するスキルを身につけられると考えてIT系企業を志望する学生は文系でも増えており、今後も人気が高まることが予想される。

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福井洋平

福井洋平

2001年朝日新聞社に入社。週刊朝日、青森総局、AERA、AERAムック教育、ジュニア編集部などを経て2023年「あさがくナビ」編集長に就任。「就活ニュースペーパー」で就活生の役に立つ情報を発信中。

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