来シーズン、阿部慎之助監督のもとで新たなスタートを切る巨人。今オフは積極的に補強に動くと見られているが、かつてのように他球団の主力選手を乱獲するのではなく、適材適所の補強で勝てるチーム作りを目指すという。
「左投手の補強が急務なので、まずは抑えとして海外FA権行使を宣言した松井裕樹(楽天)の獲得には動くだろう。同じく(国内)FA権の行使を決断した山﨑福也(オリックス)は先発の一角として欲しいはず」(在京球団編成担当)
松井は10月25日に海外FA権を行使することが明らかになった。メジャーへの移籍が優先と見られているが、3月に行われたWBCでは公式球への適応に戸惑ったこともあり、MLB側の評価は読めない部分もあるという。条件次第では国内球団への移籍も考えられる。山﨑もオリックス残留の可能性もあるが、出身地(埼玉県)である関東の球団への移籍が噂されている。
「守護神の大勢は勤続疲労もあり来季も同ポジションを任されるかは不透明だが、松井がいれば何の心配もない。オリックス躍進のカギは山崎と宮城大弥、田嶋大樹の左腕3枚が握っていたが(巨人も)同様の左腕ローテーションを組めれば最高」(巨人OB)
巨人は今季リリーフ防御率がリーグ最下位(3.83)と2年連続Bクラスの原因となっており、松井は是が非でも欲しいクローザー。また今季11勝を挙げた山﨑も若手成長株の横川凱、井上温大らとともに先発左腕に厚みを持たせるためにも獲得の優先順位は高そうだ。
FA選手以外ではソフトバンクを戦力外になった右腕・森唯斗も実績抜群で、巨人も「獲得競争に加わるのでは」と言われている。松井とともにブルペン強化のピースになり得る存在ではあるが……。
「森に関しては賛否両論ある。抑えとしての全盛期は素晴らしい球を投げていたが、近年は安定感を欠いた印象もあり、先発に転向した今季は全く戦力にならなかった。衰え始めたと見る向きもあるので獲得に慎重になるのではないか」(在京球団編成担当)