そこから、ひふみんのトークは猫の生態の話に暴走……。そんなハプニングとも思える会話にも、天皇陛下が「ここにも猫がいるんですよ」と赤坂御苑の敷地を手で指し示された。
「天皇陛下も素晴らしかったです。天皇陛下も雅子さまも常に“相手ファースト”なのです。会話も相手を中心に考え、会話の中で相手の方がしっかり“主役”になるようにしてくださる。一二三さんの隣にいらした奥さんに将棋を指すのか質問したとき、奥さんは『できません』と答えられ、雅子さまはとっさに『お支えになられたのですね』という言葉をかけられていらっしゃいました。
このひと言に心を打たれるほどに感動いたしました。ご招待されたのは夫の一二三さんですが、それには奥さんの支えがあってのことだと奥さんに対する賛辞を伝えられたわけです。このような言葉には思いやりと優しさが込められており、本当に真心からのマナーの基本を押さえていらっしゃると思いました」
やや暴走気味なトークな展開に思えるひふみんだが、実は天皇、皇后両陛下が声掛けをされる前からひふみん自身も映像には映らない「リハーサル」を重ねていたという。

「加藤一二三さんは、天皇、皇后両陛下とお話しなさるときには車椅子から立ち上がりたかったのか、会が始まる前に車椅子から立ち上がる練習をしていました。何度かフライングして皇族方がお見えになる前に立ち上がろうとしていたほどでした」(皇室記者)
こうした、ひふみんトークの裏話を聞くに、なんともあたたかい雰囲気だった秋の園遊会。西出さんはこうまとめる。
「どの招待者にも『お会いできてうれしい』という気持ちが伝わってくる対応で、天皇陛下も雅子さまも楽しそうなご様子でした。それには招待者の緊張を和らげて差し上げたいというお気持ちもおありなのだと思います。
始終、天皇、皇后両陛下が楽しんでいらっしゃるお姿を私たちに見せてくださることに、開かれた令和の皇室を感じました。このような情景を拝見しているだけで、私たちもうれしく思い、気がつけば自然と微笑んでいることに気づかされます。このように和やかに、あたたかい気持ちにさせてくださる両陛下に感謝の気持ちでいっぱいになりました」
いずれにしても、暴走気味のひふみんトークでさえ微笑みに包んでしまう雅子さまの対応力は、本当に素晴らしい。
(AERA dot.編集部・太田裕子)