難しい球を安打にする技術があるという

 ロッテは昨年5位に低迷したが、吉井理人監督が就任した今季は2位に躍進。リーグ3連覇を飾ったオリックスには及ばなかったが、健闘した。V奪回でポイントを握るのが打力の向上だ。規定打席に到達した選手の中で打率2割5分に達した選手が1人もいない。三塁がメインの安田は打率.238、9本塁打、43打点と物足りない数字に。内外野を守る和製大砲の山口航輝は打率.235、14本塁打とパンチ力は魅力だが確実性に課題が残る。主将の中村奨吾も打率.220、11本塁打と不調の時期が長かった。

「ロッテの内野陣で合格点がつけられる働きぶりを見せたのは遊撃の藤岡裕大ぐらい。あとの3つのポジションは他球団のレギュラー選手と比べると見劣りする。ドラフト1位で入団し、強打者として期待された安田も伸び悩み、プロ6年間で2ケタ本塁打に到達したシーズンがない。24歳という年齢を考えると、期待値で起用される立ち位置ではなくなっている。来年は上田と三塁のレギュラー争いになるでしょう」

 ドラフトでは1位指名の競合で当たりクジを引き当てられた選手にスポットライトが当たるが、プロは実力の世界だ。過去には「外れ外れ1位」で指名され、球界を代表する選手に上り詰めたケースが少なくない。今季18年ぶりのリーグ優勝に貢献した阪神の不動のリードオフマン・近本光司はその代表格だ。2018年ドラフトで藤原恭大(ロッテ)、辰己涼介(楽天)を外して3度目に指名されたのが近本だった。前人未到の3度のトリプルスリーを達成した山田哲人(ヤクルト)も10年ドラフトで、ヤクルトが斎藤佑樹(元日本ハム)、塩見貴洋(楽天)の当たりクジを引き当てられず、山田を指名。プロでの活躍を見れば、最高の結果になったといえるだろう。また、リーグ3連覇に貢献した左腕エース・宮城大弥(オリックス)、二塁の名手で知られる吉川尚輝(巨人)、球界を代表するセットアッパーの清水昇(ヤクルト)も「外れ外れ1位」で入団している。

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即戦力野手として