明大の巧打者・上田希由翔

 今回のドラフトは「近年まれに見る豊作」と評され、1位指名で重複が相次いだ。くじ引きは計7回。これはドラフト史上最多だった。

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 野手の競合はDeNA、ロッテ中日が指名した度会隆輝(ENEOS)のみ。残りの6回は投手だった。1位指名12人のうち、大学生投手が8人という結果を見ると、どの球団も即戦力投手が欲しい状況を物語っている。先発、救援と様々な役割で力を発揮できる西舘勇陽(中大)は巨人日本ハムが競合し、巨人の阿部慎之助新監督が当たりクジを引き当てた。大学№1右腕の呼び声高い常広羽也斗(青学大)は広島と楽天が指名し、広島の新井貴浩監督が当たりクジに右手を突き上げてガッツポーズ。抜群の制球力でゲームメイク能力が高い武内夏暉(国学院大)はヤクルト西武ソフトバンクの3球団が重複し、西武の松井稼頭央監督が初の当たりクジを引き当て「よっしゃ!」と叫んだ。

「外れ1位」でも抽選が続いた。高校№1左腕・前田悠伍(大阪桐蔭高)に日本ハム、楽天、ソフトバンクの3球団、スタミナ十分で総合力が高い右腕・草加勝(亜大)に中日とロッテの2球団が競合した。前田はソフトバンク、草加は中日が交渉権を獲得した。そして、「外れ外れ1位」でも、大学生最速158キロ左腕・細野晴希(東洋大)をめぐり日本ハムとロッテが競合。日本ハムが「3度目の正直」で当たりクジを引き当てた。

 過去のドラフトでは1位指名で他球団と競合した佐々木朗希、藤原恭大、安田尚憲を引き当てるなど、クジ運の強さに定評があったロッテだが、今回は度会、草加、細野と1位指名で3度外す結果に。4度目の「外れ外れ外れ1位」で指名したのが明大の巧打者・上田希由翔だった。

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