「(雑音も大きかったので一層)野球だけを考えるようにしているようだった。打席内でも今まで以上に集中しているように見えた。野球センスの塊のような選手なので研ぎ澄まされた状態でプレーすることで結果もついてくるようになったのではないか」(在京テレビ局スポーツ担当者)
開幕後はどうなってしまうのかと心配されたが、5月以降は徐々に復調。6月下旬には右太ももの負傷で離脱もあったが、その月は打率.338、3本塁打、9打点と存在感を発揮した。ケガからの復帰後も安定したバッティングを披露し、2連続でBクラスとなったチームの中でさすがというところを見せ続けた。最終的に116試合の出場で打率.288、22本塁打、60打点という成績を残した。
「開幕からの絶不調、故障、そしてグラウンド外での問題などマイナス面ばかりの中で本当によくやってくれた。今までの勇人を知っている人からすれば物足りないだろうが普通の選手なら十二分の成績。まだまだ中心選手としてやれることを証明してみせた」(巨人OB)
9月7日のヤクルト戦(神宮)からは三塁を守る機会も増え実質のコンバートとなった。守備の負担軽減になり、来季以降は引き続き打撃面での活躍を予感させた。過去に通算3085安打の張本勲氏しか成し遂げていない3000本安打も視界に入っている(今季終了時点で2321安打)。
「残り700本近く残っており簡単ではないが試合に出ることができればやれるはず。そのためには三塁へのコンバートが理想で坂本自身はもちろん遊撃を守る選手も活躍できないといけない。結果的にチーム力も上がり勝利に繋がる好循環になる」(巨人担当記者)
試合でのパフォーマンスとともに「坂本はやはりスターだ」というエピソードも。今季の話ではないものの、かつて巨人で打撃コーチなどを歴任し、坂本を指導した岡崎郁氏が「今日しか東京ドームに来られない僕のファンもいるんです」(YouTube「上原浩治の雑談魂」)と坂本が無理をおしてスタメン出場した話を披露。昨年のスキャンダルなどで大きな批判もあったが、坂本が人気プレイヤーである理由を改めて知らされたファンも多いだろう。