ごみステーションに立つ渋谷区の青木正樹さん=東京・渋谷

3密回避が誤解された

 ただ、少なくなったとはいえ、現在も路上飲酒はある。そのほとんどが外国人によるもので、根本的な対処は困難だと、ごみステーションを訪れた渋谷区環境整備課の青木正樹課長は言う。

「渋谷に限らず、日本では自国では禁止されている外飲みができると伝わっている。この誤解をとくのはすこぶる難しい」

 新型コロナがまん延すると、3密回避がうながされ、その結果、路上や公園などでの外飲みが若者を中心に流行した。

「その様子がSNSなどを通じて、世界中に広まってしまい、日本は路上飲みが楽しめる国だと思われてしまった。それを取り締まっていくのが正しいのか、判断は分かれると思いますが、日本でもパブリックスペースでの飲酒はすべきではない、というルールを定める必要はあると思います」

 今回、渋谷区の長谷部健区長が「ハロウィーン目的で渋谷に来ないで」と訴えたことがどれほどの効果を上げたかわからないとしながらも、

「人を立ち止まらせないことで、路上で飲酒される方がかなり減り、結果として、ごみも減少しているのは事実で、副次的な効果が出た」

 と、青木課長は分析する。

渋谷の街を清掃するボランティア=東京・渋谷

「ステーションのごみ袋の山を見た人から、『わぁ、すごいゴミ』とよく言われるんですよ。でも毎年、ハロウィンの時期は大勢のボランティアの方に清掃していただけるので、実は11月1日の朝は一番、渋谷の街がきれいなんです」

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)