清掃活動をする、ばれん太さん=東京・渋谷

今は酒よりソフトドリンク

 ハロウィン期間中の夜(月曜日を除く)、渋谷センター街に近い宇田川交番の前にはごみステーションが設けられ、ごみの回収だけでなく、トングや軍手、ごみ袋といった清掃用具を貸し出している。

 運営するのは7年ほど前に地元の有志が立ち上げた「ハロウィンごみゼロ大作戦」実行委員会で、渋谷区も共催というかたち支援してきた。

「ごみ拾いのボランティアは、ホームページから事前にお申し込みした方もいますが、当日ふらっと来て、参加される方もいらっしゃいます。時間もまったく自由です」

 と、事務局の三浦里穂子さんは説明する。

 ごみのステーションが開設される時間に合わせて、派手な仮装姿でやって来たのが、ばれん太さんだ。すでに10月31日の夜から8時間、ぶっ続けでごみ拾いをしているという。
 

仮装をして清掃活動をするばれん太さん=東京・渋谷

 ばれん太さんがごみ拾い専用の手押し車を押しながら、夜の渋谷で清掃活動を始めたのは5年前。

「地元の人たちが頑張って、渋谷の街はだんだんきれいになってきました。特に今年はきれいです。いつもだと、ごみステーションに2メートルくらいの高さにごみ袋がバーンと積み上がるんですが、今年はその半分くらいしかない」
 

 理由として挙げられるのは、路上飲酒に対する厳しい取り締まりだ。

 渋谷区は2019年、街のランドマークである「SHIBUYA109」を中心に半径約500メートルの範囲で路上飲酒を制限する条例を制定した。さらに今年、「迷惑路上飲酒ゼロ」を宣言し、9月1日からパトロールを強化してきた。

「路上飲みについては、めちゃくちゃ厳しく取り締まっています。特に今晩はものすごい人数の警備員が投入されて、ひっきりなしにパトロールがまわってくるので、路上飲酒はほぼできない。ドリンク類のごみは、昔はお酒の空き缶が圧倒的に多かったですが、今はソフトドリンクの方が多いです」
 

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外国人に広まった「誤解」