10月31日のハロウィン当日から翌朝にかけて、東京・渋谷の街は、今年も大勢の人で賑わった。なかでも目立つのは外国人の姿だ。渋谷区によると、昨年は外国人と日本人の姿はほぼ半々だったが、今年は約7割を外国人が占めるという。実は、路上飲酒者の多くは外国人で、周辺住民は路上飲みした後、ポイ捨てされるごみに悩まされてきた。ハロウィンの深夜、「渋谷ごみゼロ大作戦」と名づけられた清掃活動のボランティアに密着した。
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11月1日午前4時の渋谷センター街。仮装した若者が行き交う路上を、山﨑将さんが黙々と這うように歩きながら、ごみを拾っていた。
前週10月28~29日の土日曜日の明け方にも、清掃活動をした。今シーズンは3回目だという。
「週末は普段どおりの渋谷の街っていう感じだったんですけれど、今日はハロウィン当日の夜というだけあって、これまでの倍以上、人が多いですね」
一見した路上は昼間とそれほど変わらず、ごみはないように見える。しかし、山﨑さんは物陰に隠れたごみを丹念に探しては集めていく。清掃を始めて20分ほどで、ペットボトルやビールなどの空き缶を10本ほど回収した。カップ麺の容器もあった。
頭に手ぬぐいを巻き、ごみを拾う山﨑さんの本業は漫画家だという。なぜ、わざわざ渋谷でゴミを拾うのか。
「取材というわけではありませんが、社会問題にもなっている渋谷のハロウィンに足を運んで、この問題を解決するにはどうすればいいのか、行動しながら考えている、という感じです」