高評価の一方、WBCで活躍できなかったことで獲得に慎重な球団も決して少なくないという。

「良い投手だが米国への適応能力などに疑問を持つ球団もある。獲得に手を挙げるにしても(年俸の)ベースを低めに設定し、出来高を厚くするなどリスクを抑える条件提示になるだろう」(在米スポーツライター)

 WBCではメジャー公式球との相性の悪さが目立った。大会前の壮行試合などでは制球が定まらず、本戦では1次ラウンド韓国戦で1回を投げるのみに終わった。またマウンド上では自らのリズムを大事にする投手のため、ピッチクロックへの対応にも不安が残る。

「メジャー挑戦の意思が強くとも先方(MLB球団)の条件次第では契約に至らないケースもある。その場合は国内他球団への移籍も十二分に考えられ、信じられないほどの好条件を提示する球団も出てくるのではないか」(楽天担当記者)

 仮に日本に残留する場合はマネーゲームに発展するのは間違いない。苦戦が続くソフトバンク巨人は絶対に欲しい投手。両球団ともに新監督となったことでご祝儀的に補強費が用意されることも考えられる。楽天の4年20億円を上回る5年25億円程度の争いになるという声もある。

「ソフトバンクは絶対的守護神・オスナの去就次第では手を挙げるはず。また松井自身は子供の頃から巨人ファン。現在は千葉県に実家があり元野球選手の実弟が経営する介護関連会社も近郊にできたばかり。妻・石橋杏奈さんの芸能活動や子育てを考えると生活ベースを東京にする可能性は高い」(在京テレビ局スポーツ担当)

 その他にも出身地である横浜の地元球団DeNAも名前が挙がっており、楽天残留の可能性もゼロではない。松井獲得によって戦力の大幅アップは間違いないだけに、各球団が相当の獲得資金を準備するはずだ。

「海外FA権を正式に行使すれば松井の選択が全てとなる。今オフ、最も注目を集める選手でしょう」(楽天担当記者)

 日本シリーズ終了と同時に松井獲得競争のゴングが鳴る。桐光学園時代から「ドクターK」として注目を集めてきた左腕は、2023年オフの主人公になるのは間違いない。来季は日米どの球団のユニホームを着ているのか、今から気になるところだ。
 

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