■オリックス:85点

 1位では単独で高校生ショートの横山聖哉(上田西)を指名。ショートにはまだ若い紅林弘太郎がいるが、将来的にはこの2人で三遊間を組めばしばらくは安泰と思えるだけにスケールがある。その後も4位までは高校生を揃えたが、現在の戦力が充実しており、また近年高校卒の選手がどんどん戦力となっていることを考えると理解できる。またその顔ぶれも河内康介(聖カタリナ)と東松快征(享栄)は今年の高校球界でも上位の左右の本格派、堀柊那(報徳学園)も肩の強さはプロでもトップクラスと、好素材であることも評価できるポイントだ。そして下位では比較的早く使えそうな社会人投手を3人揃え、エース・山本由伸のメジャー流出への備えもできているように感じられた。大砲候補の真鍋慧(広陵)を指名していればさらに面白いとも感じたが、順位的な制約を考えると仕方のない部分があったことは理解できる。他球団であればリスクも大きく感じるが、現在のオリックスの状況を考えると、非常に上手い指名だったと言えそうだ。

■ソフトバンク:80点

 最初の入札で武内夏暉(国学院大)を外し、再入札では3球団の競合の末に前田悠伍(大阪桐蔭)を引き当てた。今年の春以降に少しコンディションを崩して実戦から遠ざかっていたのは気になったが、U18W杯でも快投を演じ、投球の完成度は大学生と比べても引けを取らない。チーム事情を考えても左の先発候補は課題なだけに、大きなプラスとなりそうだ。2位以下でも岩井俊介(名城大)、広瀬隆太(慶応大)、村田賢一(明治大)と大学生の実力者を続けて指名。5位の沢柳亮太郎(ロキテクノ富山)と6位の大山凌(東日本国際大)もブルペン陣を底上げする存在になれる可能性があり、藤田悠太郎(福岡大大濠)も甲斐拓也とタイプの似た守備型の捕手として面白い。近年はスケールは大きいものの、完成度が低い選手を重視する傾向が強く、なかなか戦力になっていない選手が多かったが、その反省が反映された指名に見える。育成で指名した選手もある程度名前の知られた実力者も多く、トータルで見ても納得度の高い指名だった。

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