ちゃんとしようとしてちゃんとしたテーブルを備えたら、それだけで部屋に「暮らし」が立ち上ってくることに驚きました。良くも悪くも生活感が出るのです。ついこの間までと同じ一人暮らしなのに!
なんと、これがなかなか居心地悪い。良くも悪くもの「悪い」ほうが、私の心に影を落とします。こんな年までのらりくらりと生きてきたら、ちゃんと暮らすことに、照れと警戒が生まれてしまったのでしょう。昔は平気でしたし、それを望んでいたのになあ!
以前のコーヒーテーブルにあった「ここはあくまで暫定的」なムードが、このテーブルには皆無です。至極便利なのに、「暮らし」に根が生えそうで怖い。自分でもびっくり。私は自分の暮らしにすらコミットしたくないのか。
さっさと慣れて「便利だなあ」で心が埋め尽くされてほしいと、切に願っています。
※AERA 2023年10月30日号