「調整ミスが響いたように感じる。WBCで実戦が1カ月前倒しになったため体を絞り切ることができず“太め残り”の状態だった。帰国後も体のキレがないため自分のスイング軌道に来た球は打てるが、それ以外には柔軟に対応できない。下半身も上手く使えず思ったほど飛距離が出ない状態だった」(在京球団スカウト)
打撃だけではなく守備でも精彩を欠いた。シーズンを通して失策22、守備率.917は三塁手としては致命的だった(同ポジションのトップはDeNA・宮崎敏郎の失策9、守備率.964)。
「打撃以上に守備では太り過ぎが影響した。体のキレがないから足を使ったスローイングができないため送球ミスも多かった。将来MLBに挑戦するにしても現状では指名打者でしか使えない。また打撃でも突出した成績を残さないと、打てる選手はたくさんいるのでタフな争いになる」(MLBアジア地区担当スカウト)
「三冠王を獲得した昨オフは米国でも名前を聞く機会は多かった。しかしWBCと今季の成績を踏まえて話題にあがる回数が激減しました。飛び抜けた打撃成績が残せない上に守備での動きを見れば評価が下がるのも当然。一塁手や外野手でさえ難しいと判断せざるを得ない」(在米スポーツライター)
一般的にNPBで圧倒的な打撃成績を残していてもMLBでは多少、数字が下がる傾向がある。ある程度の守備力も必要となるのはMLBに挑戦した先人たちが証明している。今のままでは本人が夢に描くMLB挑戦がかなり厳しいものになるはずだ。
来季へ向けて大事なオフだが心配なニュースが飛び込んできた。10月14日、下半身のコンディション不良でチームの秋季練習から離れてリハビリ組に合流したという。「引きずらないように大事をとって、という感じです」と村上本人は語っているが……。
「故障の状態は本人しかわからないので何とも言えない。しかし太め残りでキレをなくした体が悪影響を及ぼしているのは間違いない。村上本人に自覚があれば今オフは徹底的にコンディショニング作りに励むはず。野球において何をすべきかわかっている選手なので信じている」(ヤクルトOB)