ヤクルト・村上宗隆はこれからどのような成長曲線を描くのだろうか。今季は苦しんだ印象も受けるが来季以降のさらなる飛躍、そして将来的なメジャーでの成功のカギは……。
今季の村上は侍ジャパンの一員として3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に上り詰めた。シーズンでは140試合に出場して、打率.256(496打数127安打)、31本塁打、84打点。昨年と比べると物足りなくも感じるが決して悲観する成績ではない。
昨シーズンは141試合に出場、打率.318(487打数155安打)、56本塁打、134打点の成績を残し22歳で史上最年少の三冠王に輝いた。チームは2年連続の日本一こそ逃したものの、リーグ連覇に大貢献して「村神様」とまで呼ばれた。
「昨年のインパクトが強過ぎるため(今年の成績は)物足りなく見えてしまう。しかし大卒1年の目の選手と変わらぬ年齢(23歳)でこれだけの数字を残しているのはスゴイ。批判を浴びるものではないと思う」(ヤクルト関係者)
「今季は最下位争いをしたことで批判の的にされてしまった。チームの責任を背負わされるのは中心選手の宿命。数字だけ見れば決して悪くはないが、誰もがもっと高いレベルを望んでいる」(ヤクルトOB)
村上が主軸に定着してからチームは2021、22年とセ・リーグを連覇(21年は日本一)。今季はリーグ3連覇とともに日本一を奪回し、村上はこれまで以上の成績も期待されたが苦戦も目立った。
「ムネ(村上)のチームなので春先から出遅れたことで開幕ダッシュも上手くいかなかった。WBCのために通常のシーズンより早めの調整だったのもマイナスに働いたようだ。本人は否定するが肉体、精神の両方で疲労があったのだろう」(ヤクルト関係者)
WBCでは期待されながらも結果を出せず四番を外された。準決勝、決勝では大事な場面で貴重な一打を放ったが大会を通じて苦しみ続けた。帰国後はNPB開幕戦の第1打席に本塁打を放つなど順調に見えたが、その後の1カ月は打率.152、1本塁打、10打点、38三振とまさかの不振に陥った。