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 女性のうつの生涯有病率は約25%、男性の2倍うつになりやすいと言われている。多くは更年期や産後におこり、産後の女性の10%が“産後うつ”を経験している。また、女性の7割以上が経験するのがPMS(月経前症候群)だ。むくみや胸が張る、食欲増大、腹痛、頭痛、眠くなる、イラつく、うつっぽくなる、緊張感が高まるなど、からだとこころの両方に不調が現れる。これらのメンタルの浮き沈みには女性ホルモンの変化が深く関連している。産婦人科医で自信のSNSでもさまざまな年代の女性の悩みに触れてきた高尾美穂氏は「軽くすることをあきらめなくていい。自分なりのケアや対策を探していただきたいし、産婦人科医を頼ってほしい。」と訴える。同氏の新著『娘と話す、からだ・こころ・性のこと』(朝日新聞出版)から一部を抜粋、再編集し、女性ホルモンの変化によるこころの不調について紹介する。

【グラフ】女性ホルモンの年齢による推移はこちら

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こころの不調、どんなふうにケアする?

 イライラする、すぐに怒ってしまう、気持ちがふさぐ、やる気が出ない、理由もなく涙が出る、何をしても楽しくない、人と会いたくなくなる、眠れないなど、こころの不調はさまざまなサインとなってあらわれます。

 こころの不調に対してはさまざまなアプローチがありますが、産婦人科の医師として、女性ホルモンとこころの状態の浮き沈みとの関連は、もっと知られてほしいテーマだと思っています。

高尾美穂さん
高尾美穂さん
写真:東川哲也(朝日新聞出版写真映像部)
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