もう一つは、不調についてまわりの人たちに理解してもらうことです。特に、夫やパートナーに、不安定な時期があることを伝えておく。そうすると、わかってくれていると思える安心感から、からだをケアする余裕も生まれます。すると、こころも軽くなってくる、というように、負のサイクルからプラスの循環へと変えていけるのではないでしょうか。
それもつらければ、ぜひ産婦人科に相談してくださいね。人によってはピルに効果がある場合もありますが、残念ながらPMSの治療に保険適用はありません。ここではピルがPMSの治療法になりうることを知っておいてください。
エストロゲンの分泌が減っていく更年期も、心の不調を経験しやすい時期です。更年期障害としてのこころの不調には、ホルモン補充療法などの医療的な対処法が広く知られるようになってきました。
PMSと更年期症状・更年期障害のほかにもう一つ、女性がこころの不調を経験しやすい時期があります。それは、産後です。
こころの不調の代表的な疾患はうつ病ですが、女性のうつの生涯有病率(一生のうち一度はその病気にかかる人の割合)は約25%、少なくみても10%ほどとされています。女性は、多く見積もると4人に一人の割合でうつ病になるということです。一方、男性はというと、うつの生涯有病率は5%から12%、つまり、女性のほうが男性よりも2倍、うつになりやすく、女性のうつの多くは、更年期や産後におこるとされています。