まず知っていただきたいのは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロン、この二つのホルモンは、私たちのからだを守っているだけでなく、こころも守ってくれているということです。女性ホルモンの血中濃度が低下すると、こころが守られている状態ではなくなる、つまり、女性ホルモンが抗うつ作用や抗不安作用を発揮している状態が維持できなくなってしまうので、私たちのこころの状態が大きく落ちる可能性が生じます。
思春期や更年期だけでなく、女性ホルモンが比較的安定して分泌されている性成熟期においても、ホルモンのアップダウンがある(それによって月経周期が決まる)わけですから、女性のこころの調子が日々変化してもおかしくないのです。
生理前にだけ生じる不調に関しては、月経前症候群(PMS)が広く知られるようになりました。
PMSは7割以上の女性が経験するとされていて、からだの不調とこころの不調の両方が含まれます。PMSでよく見られるからだの症状としては、むくみやすい、胸が張る、血糖値が下がりやすく爆発的に食欲が出る、おなかが痛い、頭痛がする、眠くなるなどがあります。