ここまで挙げた以外の選手が1位で呼ばれた場合はサプライズという印象が強いが、展開として考えられるのは、大学生投手を外して少し評価の低い同じ大学生投手にいくのではなく、思い切って高校生やポジションを重視して野手に切り替えるというケースだ。まず高校生の投手で名前を挙げたいのが日当直喜(東海大菅生)と河内康介(聖カタリナ)の2人だ。
日当は190cmの長身と堂々とした体格で、身体的なスケールがあるのがまず大きなプラス要因だ。大型の割に器用なところがあり、フォークなど変化球も上手く操ることができる。フォームなどのタイプは違うが、山下舜平大(オリックス)のような成長を期待している球団もあるはずだ。一方の河内は体格こそまだまだ高校生らしいものの、欠点らしい欠点のないフォームが大きな特長。チームの不祥事で長く公式戦から遠ざかりながら、夏は見事な成長ぶりを見せた。例えて言うなら山本由伸(オリックス)のような成長曲線を期待するタイプと言えそうだ。
野手で重視されるとすればキャッチャーとショートの可能性が高い。キャッチャーでは進藤が頭一つ抜けた存在と言えるが、阪神の岡田彰布監督からは「捕手を育てるなら高校生」という発言が出ており、高校生捕手を思い切って1位で確保するような展開がないとも限らない。そうなると浮上してくるのは堀柊那(報徳学園)と鈴木叶(常葉大菊川)の2人だ。堀はプロでもトップクラスに入る地肩の強さが最大の魅力。捕手ながら脚力も抜群で、フットワークも良い。甲斐拓也(ソフトバンク)のような捕手になれる可能性を秘めた選手である。一方の鈴木も下級生の頃から評判の大型捕手で、攻守ともに形の良さが目立つ。2021年も松川虎生(ロッテ)が1位指名を受けて、1年目から一軍で活躍しているだけに、その再来を狙う球団が出てきてもおかしくはないだろう。
ショートでは横山が最も評価が高いと思われるが、それ以外で名前が挙がるのが百崎蒼生(東海大熊本星翔)、辻本倫太郎(仙台大)、津田啓史(三菱重工East)の3人だ。