東海大熊本星翔・百崎蒼生

 10月26日に迫ったプロ野球ドラフト会議。1週間前の19日の時点で1位指名を公言したのが広島の常広羽也斗(青山学院大)だけで、各球団情報は飛び交っているものの、慎重な動きになっている印象を受ける。そんな中で意外な選手が1位指名を受けるいわゆる“サプライズ1位”はあるのだろうか。あるとすれば誰なのだろうか。ここまでの報道などから探ってみたいと思う。

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 現時点で1位候補として名前が報道されている選手は常広以外も大学生投手が多く、細野晴希(東洋大)、武内夏暉(国学院大)、西舘勇陽(中央大)、下村海翔(青山学院大)、草加勝(亜細亜大)、西舘昂汰(専修大)の東都大学リーグ所属の選手が中心と見られている。他のリーグではいずれも大学日本代表に選出された古謝樹(桐蔭横浜大)、上田大河(大阪商業大)、岩井俊介(名城大)も有力候補と言え、秋のシーズンでは少し調子を落としたものの滝田一希(星槎道都大)、松本凌人(名城大)も元々の評価が高い選手たちだ。大学生の野手では大学ナンバーワン捕手の呼び声高い進藤勇也(上武大)、東京六大学で現役最多安打の上田希由翔(明治大)、現役最多本塁打の広瀬隆太(慶応大)も展開次第では1位に浮上してくることはあるだろう。

 高校生で最も評価が高いと思われるのは甲子園、U18W杯でも活躍を見せた前田悠伍(大阪桐蔭)で、最初の入札での指名も十分に考えられる。投手では木村優人(霞ヶ浦)、東松快征(享栄)、坂井陽翔(滝川二)、野手では横山聖哉(上田西)、明瀬諒介(鹿児島城西)、さらに二刀流の武田陸玖(山形中央)は展開次第で可能性がありそうだ。

 社会人で1位指名の可能性が高いのが度会隆輝(ENEOS)で、DeNAの三浦大輔監督、中日の立浪和義監督が高く評価しているという報道も出ている。度会以外の社会人は上位指名候補が少ない印象は否めないが、投手であれば昨年秋の日本選手権で1安打完封と圧巻の投球を見せた松本健吾(トヨタ自動車)が最も評価が高いのではないだろうか。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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“サプライズ1位指名”があるとしたら…