今年は春先が絶好調だった巨人の中田翔選手
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 今オフのFA市場は左腕投手が争奪戦になりそうだ。山崎福也(オリックス)は自身最多の11勝をマークし、リーグ3連覇に貢献。野手顔負けの打撃もセリーグ球団の評価を高めている。加藤貴之(日本ハム)は7勝にとどまったが抜群の安定感でゲームメーク能力が高い。リーグ3位の163回1/3を投げて防御率2.87とタフなことも魅力だ。リリーバーに目を移すと、守護神・田口麗斗ヤクルト)がリーグ2位の33セーブをマーク。2試合連続失点したことがなく、50試合登板で防御率1.86と5位に沈んだチームの中で奮闘した。

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 野手はどうだろうか。FA権を行使すれば、複数球団が獲得を検討すると見られた若月健矢(オリックス)がシーズン中に早々と残留の意向を表明。昨オフにFA移籍した森友哉(オリックス)、近藤健介(ソフトバンク)と比べると静かな状況だが、1人の長距離砲の動向に注目が集まっている。巨人中田翔だ。

 今年は春先が絶好調だった。「5番・一塁」で開幕戦から2試合連続アーチを放つなど、4月終了時点で打率.290、6本塁打、14打点をマーク。「個人タイトル争いに絡むのでは」と期待が高まったが、5月4日のヤクルト戦(東京ドーム)で右足を負傷して途中交代。「右太もも裏の肉離れ」で戦線離脱した。わずか3週間後という驚異的なスピードで1軍に戻ってきたが、全力で走れず状態は万全に程遠かった。その後もコンディションが万全でない状況が続き打撃が下降線に。8月以降はスタメンを外れて代打での出場機会が多くなり、9月以降は2度の登録抹消となった。92試合出場で打率.255、15本塁打、37打点。不完全燃焼に終わった。

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