「あなたの能力は上がるんだよ」

 しかし、固定マインドセットを持つ人がゲームをやると、ちょっとやっただけでも「自分にはムリだな」とやめてしまい、その結果、余計に固定マインドセットに陥ってしまうという心配もあるかもしれません。

 しかし実際には、最初からまったくダメ、というゲームはほとんどありません。

 実際、ゲームの作り手は、多くのユーザーがクリアできるかできないか、そのギリギリのところを衝いて制作をしています。なぜなら、一見できなそうでも次第にできるようになることで、人はゲームに夢中になれるからです。設計がまずくてまったくクリアすることができないゲームのことを、昔は「クソゲー」なんて呼んでいましたが、それくらいに、ある程度の努力をすれば次の面に進めるかどうかがゲームの要でもあります。

 言いかえれば、それだけゲームは、成長マインドセットをサポートするように設計されている、ということでもあるわけです。

 それから、「ゲームは成長マインドセットを自分にもたらしてくれる」という意識をはっきり持つことも大切です。それがゲームの最重要心得だと言ってもいいでしょう。

 子どもには、

「あなたの能力は目には見えなくても、いつも少しずつ成長しているんだよ。だから、ゲームもうまくなっていける。成長マインドセットが大事だね。もう少し頑張ってみよう」

 と、伝えてみましょう。

 最初はできなかったことが、努力した結果できるようになった場合も、そのことを言葉で伝えてほめてあげましょう。子ども自身ができなかった時のことを思い出し、現在できるようになったという変化を実感することで、成長マインドセットにつながります。

 ゲームをすることで、成長マインドセットを伸ばせているのだと自覚すること。それだけでも、自分自身が変わっていくのです。
 

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