就任会見をする巨人の阿部新監督
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 巨人が新たな船出を切る。2年連続Bクラスに終わり、原辰徳監督は今季が3年契約の2年目で、来季まで契約を残していたが辞任を決断した。後継者としてチーム再建を託されたのが、ヘッド兼バッテリーコーチから昇格する阿部慎之助新監督だった。

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 阿部新監督は6日に都内で開かれた就任会見で、「監督を本当に引き受けていいのか自問自答したが、原監督から笑顔で『慎之助でよかった』と言われて決めた。来季は優勝という言葉を意識して、勝ちに貪欲になっていきたい」と決意を口にした。原辰徳監督と山口寿一オーナーが同席した会見で緊張の面持ちだったが、「本年は『アレ』で盛り上がったが、来年は『アベ』で盛り上がっていきたい」と報道陣の笑いを誘う場面も。阪神のスローガンになった岡田彰布監督が優勝を指す「ARE(アレ)」に引っ掛けた発言で、頭の回転の速さを感じさせた。

原監督が積み上げた功績

 言うまでもなく、原監督が積み上げた功績は大きい。第1次~第3次政権で計17年間采配を振るい、2度の3連覇を含む計9度のリーグ優勝、3度の日本一に導いた。通算1291勝は球団史上最多だ。後継者となる阿部新監督はその重圧をひしひしと感じている。リーグ最終戦となった今月4日のDeNA戦(東京ドーム)後に行われた最終戦セレモニーで、原監督が退任を発表し、マイクを渡された阿部新監督は「常勝軍団であれ。伝統ある巨人軍の最多勝利数監督から大役を受け継ぐことになり、とてつもない重圧を感じ、身の引き締まるところであります。とにかくファンの皆さんのために強い巨人軍、愛される巨人軍をつくるべく、チーム一丸となっていく所存です」とファンに誓った。

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拮抗した試合終盤に救援陣が踏ん張れない