新監督就任会見で話す巨人の原監督

救援陣の防御率3.81はリーグワースト

 最多勝3度、最優秀防御率4度、沢村賞2度獲得し、球界を代表するエースとして活躍してきた菅野だが、近年は投球内容が不安定になっている。今年は右肘の張りで出遅れ、6月中旬に1軍昇格し、14試合登板で4勝8敗、防御率3.36。勝負所で痛打を浴びる場面が目立ち、7月17日のヤクルト戦(神宮)では初回に1死を取っただけで6失点の自己最短KOを喫した。

 先発陣を見ると、戸郷、山崎、赤星優志、来季も残留するならグリフィン、メンデス、若手成長株の横川凱、松井楓と頭数はそろっている。一方、救援陣は心許ない。新人の昨季守護神に抜擢され、57試合登板で1勝3敗37セーブ8ホールド、防御率2.05と大活躍だった大勢は今季試練を味わった。6月下旬に右上肢のコンディション不良で戦線離脱。2か月半後に1軍に復帰したが、3試合連続失点と本来の状態に程遠く、27試合登板で3勝0敗14セーブ1ホールド、防御率4.50と成績を落とした。不安要素は抑えだけではない。「8回の男」も定まらず、救援陣の防御率3.81はリーグワースト。阪神はリーグトップの救援防御率2.37で力の差は歴然としていた。

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四球で崩れるタイプではない