夫がうつ病を発症すると、妻もうつになるリスクが高まる。さらに親のうつは子どもの発育にも影響する。

「親がメンタルヘルスに不調を抱えると、子どもへの関わりが減ったり、子どもの愛着(親と子の信頼関係)形成に問題が起こるリスクが増える。なので、夫婦がお互いの健康を気づかい、支え合い、子どもを育てていこうね、ということがとても大切です」
 

 産後の父親を支援している自治体はまだ少ないが、新生児訪問指導や乳児家庭全戸訪問事業で自宅を訪れた保健師らに、父親が自分の心身の不調について相談することができる。

「保健師さんは、お父さんたちもメンタルヘルスを崩しやすいことをわかっていると思います。ただ、心の悩みについて相談するのはなかなかハードルが高いので、子育ての悩みを話すなかで、自分自身の心の状態についても打ち明けられればいいな、と思います」

 家庭訪問のなかで父親に対してどのような声かけをすればいいのか、ノウハウが蓄積されれば父親の産後うつの早期発見にもつながる。最終的にはそれが「家族への支援」となることを帯包さんは期待している。
 

 冒頭のファザーリングジャパンも、子育てを経験した男性が講師を務める「ファザーリング・スクール」を開催し、産前産後の父親たちと話をしたり、悩みを打ち明けることができる場を設けている。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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