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 赤ちゃんの誕生は喜びとともに不安がつきもの。夫婦で悩みやつらさを分かち合えればいいが、「産後うつ」を発症してしまう人もいる。そしてそれは、母親だけでなく、父親も同様であることがわかってきた。産前・産後は父親、母親どちらも余裕を失い、夫婦間で「すれ違い」が生まれがち。家族だけの問題ではなく、周囲の支えが必要だと専門家は指摘する。

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 出産し、自宅に戻ってきた母親。

 我が子との生活のためにがんばり始めるが、やがて2週間ほどで「エネルギー切れ」になり、精神的な余裕を失ってしまうことが少なくない。

 そして、産前産後の妻を支えたいと「奮闘」しているはずの父親に、言ってしまう。

「あなたの家事のやり方は」

「なんで、今そういうことをするの」
 

「妻の大変さを理解してあげたいという夫は今、すごく多い。しかし、自分のやったことを誰かが認めてくれる社会にずっといた男性にとって、そんな言葉はしんどいのです」

 そう語るのは、父親の家事・育児の参加支援を進めるNPO法人「ファザーリングジャパン」の棒田明子理事だ。
 

NPO法人「ファザーリングジャパン」の棒田明子理事

 つらさを抱え、ヘルパーなど外部のサポートを受け入れられればよいが、「弱さ」をさらけ出すことに負い目を感じてサポートを拒み、精神的に参ってしまう夫の姿を、棒田さんは間近で見てきた。

「うまく相談相手や相談先を見つけられる人はいいんですが、『自分の悩みをわかってくれる人はいない』と、病院や相談窓口を巡る人もいます」

産後うつは父親も

「産後うつ」は、性別に関係なく、一般的に出産後1年以内に発症するうつ病のことだ。

 国立成育医療研究センターの帯包(おびかね)エリカ研究員によると、産後うつを発症する割合は8~10%で、母親も父親も変わらない。

 子どもが生まれると、親としての役割が始まり、責任や負担が増す。新たな家事や子育てによって生活環境も大きく変わる。女性の場合はホルモンに起因することがあるが、それ以外の社会的、心理的な要因は男性も基本的に同じだと指摘する。
 

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妻のイライラの理由がわからない