例えば、「子どもが常に足元にまとわりついてきて、ほかの用事ができない」ことに82.6%の妻がイライラするが、夫は54.0%。30ポイントほどの開きがあった(子どもが1歳児の場合。以下同)。

 さらに「子どもの要求をかなえるために、余分な手間がかかる」は妻が80.7%、夫では55.0%。「子どもがおとな同士の会話やおとなたちがしていることを邪魔する」は妻が70.8%だったのに対し、夫は43.2%だった。
 

 そして、「配偶者といると本当に愛していると実感する」割合は、妊娠期では妻、夫とも74.3%だったのに対し、子どもの成長とともに変化していた。

「妻といると本当に愛していると実感する」夫の割合は、子どもが0歳ごろは63.9%、1歳ごろには55.2%。ゆるやかに減る夫に対し、妻のほうは45.5%、36.8%と急減。夫婦間の「温度差」が大きくなっていくさまがうかがえた。
 

 そんな夫婦の変化を反映してか、長崎県立大学の藤野裕子教授らが行った「子どもが誕生後1年間における父母の家族関係と精神衛生に関する調査」によると、母親よりも父親のほうが、1年を通じて精神状態が悪いという結果だった。

うつ傾向にある人の割合は、母親が7.0~10.1%なのに対して、父親はそれより多い7.9~13.1%。しかも、父親が不安を訴える割合は、時間がたつにつれて増えていったのだ。
 

つらい気持ちを保健師に

 どうすれば夫は、そんな危機的状況を回避できるのか。

「産後は、赤ちゃんは泣いているし、みんな忙しくて余裕がない。なので、産前の比較的余裕があるときに、産後はお母さんもすごく大変だけど、お父さんも大変で、メンタルの不調を起こしうることをお互いに知ってほしい」

 と帯包さんは指摘する。

「そうすれば、お父さんがちょっとおかしいなと思う症状が出たときに、早めに気づける。それを家族としてどう乗り越えるか話し合い、準備しておけるといいですね」

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父親の支援は、家族の支援に