このリポートについては、2022年12月の週刊新潮で詳細が報じられた。
すると、自見氏はそれまで選挙運動費用収支報告書には記載がなかった約589万円を追記し、訂正して提出した。
コンサル会社からひまわり会への請求書には、「品目」として、「1日ダイジェスト動画」(単価30万円、数量11、価格330万円)、「最後のお願い動画」(単価79万円、数量1、価格79万円)など8項目が記され、合計額は589万1663円となっている。
公職選挙法では、選挙運動に関して「無報酬の原則」という定めがあり、報酬の支払いを受けられるのは、車上運動員など限られたものになっている。
業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合は
また、インターネットを介した選挙運動については、解禁されるにあたり総務省がガイドラインを打ち出している。
それによると、選挙運動用ウェブサイトなどの企画立案を行う業者への報酬の支払いについては、
「一般論としては、業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払は買収となるおそれが高いものと考えられる」
としている。
先述した「参院選期間中サポート」の内容を見ると、コンサル会社は「狙い」や「戦略」を練り、そこからさらに「目的」「方法」に落とし込んでいるように見える。
自見氏の行動を毎日撮影し、テーマを「6年の実績概要」「子育て、こども家庭庁創設」「政策実行能力」「国会議員としての覚悟(人柄)」「災害支援」「コロナと保険行政」などと日替わりで構成し、「応援したくなる雰囲気を映す」としている。
「今回の件は買収に該当」
そして、「過去の選挙を分析し、候補者の演説のみで構成されている動画の乱立に着目→応援弁士の言葉による動画の構成で作成を進めていくことを方針として打ち出す」と戦略を打ち出している。
こうした点を捉え、上脇氏がこう指摘する。
「例えば、選挙対策本部がホームページのデザインを外注しました。青をイメージして依頼したけれど、業者から『赤の方がいいのでは』とアドバイスがあり、それに従った。この程度なら、まだ選対の発注、指示通りでお目こぼしでしょう。しかし、今回の件は、コンサル会社が自見氏の当選を目指して動画などを作成し、SNSに投稿してアクセス状況を分析、また制作にとりかかる。やっていることが選対の仕事そのものです。まさに業者が主体的、裁量的に企画立案をしており、自見氏からの支払いは買収に該当し、公職選挙法に触れます」