ペナントレースも最終盤を迎え、中日では早くもベテラン選手の引退が報じられるなど来季に向けてのニュースも増える時期となってきた。現役ドラフト、フリーエージェント(FA)などの積極的な移籍に注目が集まる一方で、もうひとつ気になるのが今年限りで契約が切れる高額年俸の選手たちだ。近年は特に大幅なダウンの契約が目立ち、昨年オフも田中将大(楽天)が4億2500万円ダウンで話題となった。このオフにそんな危機を迎えている選手は誰がいるのだろうか(年俸は推定。成績は9月14日終了時点)。
まず注目が集まるのがともに今年で5年契約の最終年となる坂本勇人と丸佳浩(ともに巨人)だ。坂本は2年ぶりに100安打に到達し、打率も3割近い数字をマークするなど復活の兆しが見られ、まだまだチームの顔と言える存在だけに大幅な減額は考えづらい。ただ一方の丸は全ての成績において巨人移籍後最低の数字となっており、4億5000万円という高額年俸を考えるとかなり物足りない印象は否めない。チーム事情を考えても外野手は秋広優人、浅野翔吾、岡田悠希の起用が増えており、二軍でもドラフト2位ルーキーの萩尾匡也が結果を残しているだけに、将来への備えも進んでいるように見える。移籍してから昨年までの4年間の貢献度を評価する可能性はあるものの、以前に比べると丸への依存度は低くなっているだけに、一気に厳しい提示金額となることも十分に考えられるだろう。また2度目のFA権を取得しており、それを行使するかにも注目が集まる。
この2人よりも大幅減額の可能性が高いのが青木宣親(ヤクルト)だ。2018年に7年ぶりに日本球界に復帰してからの3年間は主力として十分な働きを見せていたが、2021年以降は成績が低下。今年も規定打席には大きく届かず、打率も2割台中盤と目立った成績を残すことはできていない。特に夏場以降に調子を落としているのが気になるところだ。先日、3年契約が切れるこのオフも球団は来季の契約を結ぶ予定という報道が出たものの、2年続けて50安打程度の成績を考えると、年俸3億4000万円という金額からは大幅に下がる提示になることが予想される。チームの功労者だけに球団も当然最大限の配慮はすると思われるが、ベースの金額を大幅に下げて、出来高を手厚くするような契約になる可能性が高いだろう。