セ・リーグで評価が難しいのが大野雄大(中日)だ。2020年オフに年俸3億円での3年契約を結び、過去2年間は二桁勝利は逃しながらも防御率は2点台と安定したピッチングを見せていたが、今年は4月に1試合登板した後に左肘を手術。長期離脱となっており、まだ実戦復帰を果たすことはできていない。長年の勤続疲労とも思われる故障で、これまでのチームへの貢献度の高さを考えればいきなり大幅減俸ということはなさそうだが、過去には落合博満GM時代に大幅な年俸カットを実施したこともあるだけにベースの年俸をかなり下げる提示も考えられる。球団もファンも回復具合が気になるだけに、練習でもシーズン終盤に来季への不安を払拭するようなボールを見せておきたいところだ。
パ・リーグではソフトバンクに高額年俸の選手が多いが、このオフに大型契約が切れるのが森唯斗だ。入団1年目から中継ぎ、抑えとしてフル回転の活躍を見せ、2019年オフに年俸4億6000万円の4年契約を勝ち取っている。しかし2021年にプロ入り後初めてシーズン50試合登板を下回り、成績が低下。昨シーズン終盤には先発に転向となったものの、今年はここまで一軍で4試合に登板して2勝と結果を残すことはできていない。ここ数年の度重なる故障もあってストレートの勢いが明らかに落ちており、それにともなってのスタイル変更を模索しているように見える。今年で31歳とまだ老け込むには早い年齢だけに、残りのシーズンで何とか復活の兆しを見せてもらいたい。
最後に最も注目が集まるのはやはり山川穂高(西武)だろう。今年は5月に自らの不祥事が発覚。9月に入ってようやく無期限の出場停止処分が発表され、いまだに復帰の道筋は見えない状況となっている。先日、国内FA権を獲得したということが報じられ、権利を行使して移籍を目指すということももちろん考えられるが、不祥事によるイメージの問題で獲得に名乗りをあげる球団が出てくるかは不透明な状況だ。西武としても引き止めるために2億7000万円の年俸を据え置くとは考えづらい。球団、そして山川がどんな決断を下すかに注目が集まる。