老人ホームのような施設で、日常的なヘルスケア情報を把握しておくことは重要だ。しかし、本人からのヒヤリングだけでは情報が「点」になってしまう。常に装着しておき、データを蓄積していくことが重要なのである。
スマートウォッチを付け続けるモチベーション
一方、Apple Watchのようなスマートウォッチをつけ続けるというと、窮屈さを感じる人もいるだろう。特に「デジタルツールを必須にする」という言葉からは、「行動を管理される」というマイナスのイメージを持つかもしれない。
だが、こちらの施設では、その点をある工夫で解決している。
マゼラン湘南佐島を運営する株式会社SOYOKAZE未来ビジネス開発部長の白木優史さんは、「Apple Watchを使い続けてもらうにはモチベーションが重要。それがなければ外してしまうことも多い」と話す。確かに、「健康のため」と言われても、毎日充電が必要な時計をつけ続けるのは大変だ。
そのためこちらでは、単にヘルスケア情報を記録するためではなく、自ら活発に行動するためのモチベーションづくりを行う仕組みも導入している。具体的に言えば、スマートウォッチに記録された歩数や参加したイベントに合わせて「コイン」がたまり、それを施設内にあるカフェなどで実際のお金と同様に使うことができるというものだ。こちらは、株式会社アツラエが開発した「Personal Aile」というアプリケーションを使っている。ちなみにここで発生するコインの原資は、システム運用費の中に含まれているそうだ。