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日本は激変していた
ERICさんが来日し、東京で暮らし始めたのは1997年。そして2004年、日本や世界各地の「ちょっと変わった群集」のスナップ写真をまとめた作品「every where(エブリウェア)」でデビューした。
今回、本格的に日本を撮影するのは約20年ぶりというERICさんは、「ファインダーを通して見た日本は激変していた。いつの間にこんなに変わってしまったんだろうと感じた」と語る。
それはコロナ禍が理由ではないという。
「実は都交通局の仕事をしたとき、『every where』と同じように東京の群衆を撮ろうと思ったことがあるんです。ところが、それが全くできなくて驚いた。時代が変わって、人間も変わって、やっていることも変わった。20年前に撮ったのものは見えてこなかった」
かつてERICさんが繰り返し訪れた場所の一つに東京・表参道のショッピングセンター・ファッションビル、ラフォーレ原宿がある。
「ラフォーレ前でよく写真を撮っていました。そこに行けば何かが見えるし、いろいろな人がいて、写真が撮れなくても楽しかった。でも、今は似たような人しかいない。新大久保に行けば、新大久保を目指して行く人しかいない。場所によって、そこにいる人が分類されている。だから、群集を生かした面白い撮り方はできない、と思った」
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変な人に見られたくない?
ERICさんは続けた。
「みんな、変なことをやっているようには見られたくない、という気持ちがあるんじゃないかな。大体、下を向いて歩いているし。立ち止まっても、座ってもスマホをずっと見ている。なので、この時代を自分ができる撮り方で撮影するしかないと思った。要するに、香港のデモを撮った延長みたいな撮り方をしたわけです」
9月12日から東京・新宿のニコンサロンで写真展「東京超深度掘削抗」を開催する。
一風変わったタイトルは「自分に対してもそうだけど、スナップ写真の可能性を深く掘っていきたい」という意味が込められている。
「相手の承諾があったらもっと面白いスナップ写真を撮れるんじゃないか、と思ったわけですが、その作品を世の中の人がどう評価するのか、知りたいです」
(アサヒカメラ・米倉昭仁)
【MEMO】ERIC写真展「東京超深度掘削抗」
ニコンサロン(東京・新宿) 9月12日~9月25日
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