履正社・増田壮

 8月6日に開幕する夏の甲子園。3日には組合せ抽選会が行われ、初戦の対戦カードと3回戦までの組合せが決まった。果たしてどのチームが勝ちあがるのか。準々決勝に進出する8校を予想してみたいと思う。

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*  *  *

【第1ブロック】
・共栄学園 (東東京)、聖光学院 (福島)、浦和学院 (埼玉)、仙台育英 (宮城)、川之江 (愛媛)、高知中央 (高知)、履正社 (大阪)、鳥取商 (鳥取)

 共栄学園(東東京)から鳥取商(鳥取)のゾーンは夏の甲子園連覇を狙う仙台育英(宮城)と春夏連続の出場となる履正社(大阪)が中心となるが、ここは履正社が勝ち上がると予想した。仙台育英は力のある投手を複数揃え、打線の状態も上向きで優勝候補の筆頭と推す声も多い。しかし初戦でいきなり強豪の浦和学院(埼玉)との対戦となり、続く2回戦も甲子園常連校で同じ東北の強豪である聖光学院(福島)が勝ち上がってくる可能性が高く、この2校に続いてさらに履正社に勝つというのは簡単ではない。一方の履正社は1回戦、2回戦で対戦するチームとは力の差が大きく、余裕を持って戦える可能性が高い。打線の破壊力は仙台育英と比べても上で、この段階であれば増田壮(3年)、福田幸之介(3年)の2人も疲れがない状態で試合に臨むことができ、仮に3回戦で仙台育英以外との対戦になったとしても勝ち切れると判断した。

【第2ブロック】
・英明 (香川)、智弁学園 (奈良)、愛工大名電 (愛知)、徳島商 (徳島)、花巻東 (岩手)、宇部鴻城 (山口)、前橋商 (群馬)、クラーク国際 (北北海道)

 英明(香川)からクラーク国際(北北海道)のゾーンは力のあるチームが揃う激戦という印象だが、打力で上回る智弁学園(奈良)を推したい。5試合でチーム本塁打12本という数字は狭い佐藤薬品スタジアムでの試合というのを割引いても圧倒的な数字であり、上位から下位まで力のある打者が揃っている。あまり取り上げられることがないが、守備も堅実だ。課題だった投手陣は奈良大会では背番号6だった中山優月(3年)が大きく成長した。春もレベルの高い近畿大会を制した力は本物だ。対抗となるのは3年連続出場の愛工大名電(愛知)、春夏連続出場となる英明、クラーク国際、そして最注目選手の佐々木麟太郎(3年)を擁する花巻東(岩手)などだが、総合力では愛工大名電が高い。こちらも打線のイメージが強いが、守備力が高く、タイプの異なる投手を揃えるのも強みだ。昨年夏に続く準々決勝進出も期待できるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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近江は今年も上位進出の可能性