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 それは、たまきさんが書くように「職場はあくまでも仕事をする場」ということです。職場の人間関係は、仕事をするためのものです。ものすごくケチでも、それが仕事と直接関係がない限り、アドバイスをすることではないと思っているのです(仕事以外ではなるべく関係を持ちたくないですが)。

 でも、この上司が、ものすごく悲観的な人だとします。なにかあると職場で「もうダメだ」「絶対にうまくいくはずがない」「失敗する! 私は絶対に失敗する!」と言い続ける人だったとします。

 この場合は、間違いなく仕事に影響します。朝一番に出社して、「終わりだ! もう終わりだ!」と叫ばれたら労働意欲に深刻な影響を与えます。完全にやる気をそがれますね。

「お前はバカだ!」「お前なんかにできるわけがない!」「会社をやめろ!」なんて言葉は、分かりやすいパワハラです。最近では、パワハラやセクハラに対する意識が高まってきました。とても重大な問題で、解雇を含む対応が会社に求められるようになりました。

「ものすごく悲観的な上司」は、パワハラ上司のレベルではないにしろ、仕事に影響を与えるという意味では、重大な問題です。

「そういう悲観的な言葉はやめてください」とか「始める前から無理だと言わないでください」とか、上司と話し合う必要があると思います。

 でね、たまきさん。「他者への期待がなく『こうあるべき』と一切考えない人も少ないだろうと想像します」と書かれていますが、それは僕もそうだと思います。相手に対する関心が高まれば高まるほど、また自分の立場が明確になればなるほど、相手に「こうあるべき」と期待すると思います。

 でもね、「期待すること」と「期待を押しつけること」は全然違います。

 上司に対して「過剰なケチをやめればいいのに」と期待することと「ケチをやめさせよう。何があっても割り勘にするぞ。まず、コーヒー一杯をなんとしても奢らせよう」と押しつけることは全く違うということです。

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