【作り方】
① ビーカーに精製水20ミリリットルを入れる
② ピペットを利用して、ビーカーにエタノール12ミリリットルを入れる
③ 同様に、シトロネラオイル2ミリリットルを入れる
④ スイートアーモンドオイル1ミリリットルを入れる
⑤ レモングラスオイル1ミリリットルを入れる
⑥ ガラス棒で溶液をよくかき混ぜる
⑦ 出来上がった溶液が、「虫よけ」。これを、ピペットでスプレーボトルに入れる
⑧ 靴やカバン、コートなどに「虫よけ」をスプレーする
【注意事項】
① エタノールは揮発性が強いので、使用する際は火災が起きないように注意。火の近くでは作業しないこと
② 使用する材料や、完成した「虫よけ」が皮膚や目にかからないように気を付ける
③ 「虫よけ」は、服や靴などに使用する。生地の変色などが起こらないか、目立たない場所でテストしてから使う
④ 使用したあとに皮膚がかゆくなったり、腫れたり、そのほか何らかの異常があったりした場合は、すぐに使用を中止して、医師に相談する
⑤ 防腐剤が入っていないので冷蔵庫に保管し、早めに使いきる
⑥ すべての虫に効果があるわけではないので、必要に応じて市販の虫よけと併用する
材料を測って混ぜるだけなので、手軽にチャレンジできそう。ハーブの香りの虫よけスプレーは、夏のお出かけをさわやかにしてくれる。完成したスプレーが、どのような虫にどのくらい効果があるかを観察して、日記などにまとめてもいい。
虫よけスプレーに使ったシトロネラのように、香りで身を守ろうとする植物もあれば、毒で身を守ろうとする植物もある。ただ「毒にも薬にもなる」という言葉のとおり、一般的には毒とされる物質も、人間の役に立つことがある。ワンステップ上の自由研究のヒントに、『実験対決45 毒と解毒』のコラムから、毒草の話を紹介したい。
言うまでもないが、毒草とは根や実、葉などに毒が入っている植物だ。毒草を食べると下痢、まひ、幻覚などの中毒症状が現れ、毒草が体に触れると皮膚に炎症が起きることもある。有名な毒草にはチョウセンアサガオやドクゼリ、トリカブトなどがある。
身近な例では、ジャガイモの芽にも嘔吐(おうと)や腹痛を引き起こす毒が入っている。また、キノコの中にも毒を持つものがある。代表的な毒キノコはテングタケ、ベニテングタケ、オオワライタケなどだ。毒キノコを食べると、吐き気、興奮、下痢、ひどい場合には死に至るなど、種類によってさまざまな中毒症状が起こる可能性がある。
しかし、毒は必ずしも人間に害だけを及ぼすわけではない。同じ成分が病気を治療する薬として使われるケースもある。例えば、ジギタリスという植物には、心臓の活動を助ける「強心配糖体」という成分が含まれている。過度に使用すると頭痛や嘔吐、不整脈などの原因となる「毒」として作用するが、高血圧や心臓病の治療をする「薬」の材料にもなる。
植物の性質をさらに掘り下げてみると、オンリーワンの自由研究になるはずだ。
(構成/生活・文化編集部 直木詩帆)