「時代を映すいい本もありますが、ある程度の読書力が備わっていないと、ハードルは高いかもしれません。最近は、長くて分厚い本を読めない高学年の子どもが増えていますので」
好きな本を選んで書く自由読書枠もあるが、これはこれで「選書」というハードルもある。
■不読者の割合は増加
子どもの読書離れは今にはじまったことではない。2001年、子どもの読書離れを懸念した国は「子どもの読書活動の推進に関する法律」を公布、学校図書館の充実など、環境整備に力を入れた。前出の協議会が毎年全国の小・中・高校生を対象に実施する学校読書調査によると、小・中では1カ月あたりの平均読書冊数は推進法が公布された01年と比べて倍以上増えた。
しかし、1カ月に1冊も本を読まない「不読者」はなかなか減らない。昨年度、国は不読者の割合を小学生(4年生以上)で2%以下、中学生で8%以下にする目標数値を掲げたが、実際の数字は小学4年生以上6.4%、中学生18.6%とかなり高めだ。もともと「不読者」の割合が高かった高校生にいたっては半数以上の生徒が月に1冊も本を読んでいなかった。(フリーランス記者・宮本さおり、ライター・大楽眞衣子)
※AERA 2023年7月24日号より抜粋