子どもが歩き始めると、転んでケガをするのではと麻衣子さんは心配になり、せめて床にモノを置くことをやめたいと思って片づけようと決心します。意気込んで片づけのノウハウ本を買ったものの、読んだだけで片づけることはできませんでした。
「私の部屋から同じ片づけの本が3冊も出てきました。1冊目は自分で読んで、2冊目は家族にあげようと思ったけれどなくしてしまって、3冊目はやっぱり家族にあげるために買ったけれど渡さなかった。知識は得たつもりでしたが、これでは全然ダメですよね。実際に最後までやり通すって大変だな、と」
自分でやろうと思ってもうまくできない麻衣子さんは、「家庭力アッププロジェクト®」に申し込みました。1人でやるよりも、誰かに教わりながら仲間と一緒に片づけるという今までにない方法なら、片づけられるようになるかもしれないと思ったのです。
モノだらけの家に住む麻衣子さんにとって、手放す行為はとても難しくつらいこと。最初は家にあったコスメの試供品を使って捨てるという、少しの量から始めました。それが、プロジェクト中に教わったことを実践するうちに、最終的には10分間で段ボール2箱分のモノを手放すまでになりました。
「私も夫と同じく、もったいないという気持ちが大きかったんでしょうね。でも、『何かを捨てる』じゃなくて、『必要なモノだけを残す』と考えを変えることを教わってから、手放すスピードが速くなりました。今までいらないモノのスペースのために家賃を払っていたと思うともったいない!」
また、人からもらったモノを持ち続けていた麻衣子さんは、プロジェクトの中で「人の想いとモノは別」と聞いたときに、目から鱗が落ちたと言います。
「いただいたものは、使わなかったとしても『申し訳ないな』と思って手放せなかったんですが、モノがなくなってもその人の想いは自分の中に残りますよね。くれた方は意外と忘れていることもあって、自分だけが執着していたということに気づきました」