空いている場所があればモノを置いていたダイニング/ビフォー
空いている場所があればモノを置いていたダイニング/ビフォー

 麻衣子さんはフルタイムの仕事をしながら、片づけに大奮闘。ほぼ在宅勤務で自由度の高いフレックスのため、朝4時に起きて仕事を始めて夕方早めに仕事を切り上げるなど調整して片づけるための時間を捻出しました。

 疲れた麻衣子さんを元気づけてくれたのは、同じように片づけに参加した仲間たち。悩んだときにアドバイスをもらったり、片づけ方を参考にしたり、大きな支えになりました。

 そして、身近にもう1人、応援してくれる人がいました。3歳の息子です。「きれいにできたね」「えらいよ!すごいよ!」と、喜ぶような言葉をかけてくれて、さらに自分のおもちゃも選別し始めます。

 お母さんが頑張る姿を、子どもはちゃんと見ていてくれます。今から一緒に片づけられるようになると、片づけが習慣化されて、将来は散らかった家に悩むことはないでしょう。

みんなで使う場所にはなるべく個人のモノを置かないようにしました/アフター
みんなで使う場所にはなるべく個人のモノを置かないようにしました/アフター

 片づけが終わり、麻衣子さんは「片づけはモノを減らすだけじゃない」とわかりました。

「とにかくモノを減らせばいいというわけではなくて、自分が管理できるモノの量にすることが大切。どこに何があるかわからない、という状況が散らかってしまう原因でした」

 モノが適量になった麻衣子さんの家は、これから夫と息子も含めて家族全員が暮らしやすくなるように、さらにブラッシュアップを続けていく予定です。

「モノを所有したがる夫は相変わらずですが、少しずつ私の気持ちを理解してくれるようになってきました。夫婦でも、価値観は違いますからね。夫を否定するわけでも、ケンカしたいわけでもないので、建設的に話し合っていこうと思います」

 家が片づいているということは、生活する土台が整っているということ。頭の中も整理されるので、家事にも仕事にも打ち込めると、麻衣子さんは話してくれました。

「できないことをグチグチ言っても、何も解決しないですよね。『どうしたらできるようになるか』を考えて進む方がずっといい。片づけを通して、私はそういうことを学びました」

 片づけられない悩みを、実際に行動に移して解決した麻衣子さん。これから他の悩みが出てきたとしても、まずは一歩動き出すことで状況を変えていけることでしょう。

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●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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