家族のモノが部屋からあふれてリビングまで散らっていました/ビフォー
家族のモノが部屋からあふれてリビングまで散らっていました/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.49  「今までゴミに家賃を払っていた」と反省

夫+子ども1人/会社員

 家にモノが多い期間が長く続くと、それが当たり前になってしまいます。せっかく家が広くても、モノに占領されて生活できるスペースが狭くなり、それが不便だということも気づきません。

 麻衣子さんもそんな感覚に陥っていました。夫と息子の3人で暮らす4LDKの家はモノでいっぱい。家事をするにも、始めるまでに探し物やモノをどかす作業が挟まって時間がかかり、集中できません。

「実家も散らかっていたので、きれいな家に住んだことがなかったです。雑誌ですっきりと丁寧に暮らしている家を見ると、憧れはありましたが特殊なことだと思っていました。家は雑然としているのが普通なんだと」

 夫もモノをためこむタイプ。自分の欲しいモノはすべて手元に置きたいようで、家には夫が買ったモノがしょっちゅう宅配便で届きます。でも、持っているだけ満足するので、ほとんど使ったり飾ったりすることはありません。

 自分以外のモノも捨てたり売ったりすることに抵抗があり、麻衣子さんが何か手放そうとすると「もったいない」「まだ使える」と語気を荒げることも。

「夫は一人暮らしをしていたときから、自分のモノを保管するために広めの家に住んでいたんです。そこに私が一緒に住むようになり、子どもも生まれて、さらに荷物がどんどん増えていきました。引っ越しのときも、荷物をそのまま移動しただけでしたね」

 夫婦の荷物をそれぞれの部屋に押し込んで引っ越しが終わりました。そこからもどんどんモノが増え続け、リビングなどの共用スペースもモノに占領されてしまったのです。

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『必要なモノだけを残す』