【3】カムバック派=中日黄金時代を築いた落合   
・落合博満(53年生まれ、69歳。東洋大中退。通算2371安打)
・谷繁元信(70年生まれ、52歳。江の川高。通算2108安打)
・井上一樹(71年生まれ、51歳。鹿児島商高。通算863安打)

 落合監督の8年間は、リーグ優勝4度、2位3度、3位1度と、黄金時代を築いた。「野球で勝つためには守りが重要だ」のポリシーを実践した結果だった。以降5監督11年間でAクラスが2度(高木守道監督12年2位、与田剛監督20年3位)。落合監督の手腕がいかに高かったかを証明する。「最高のファンサービスは勝つことだ」というコメントも、中日ファンは改めて実感していることだろう。現在、NHKでの解説は含蓄があり、思わず聴き入って納得してしまう。野村監督が楽天で74歳まで采配を振るったことを考えれば、「再登板」を期待するファンも多いのではないか。

 谷繁の捕手兼任監督時代は不運だった。14~16年は、5年連続2ケタ勝利を誇った先発・吉見が3年間でわずか9勝。シーズン45ホールド以上を挙げていた中継ぎエース・浅尾拓也が3年間計24ホールド。同じくシーズン40セーブ以上のストッパー・岩瀬が3年間計20セーブ。3年間4位、5位、最下位に沈んだが、これでは「勝て」というほうが無理。谷繁のもう一つの在籍チームのDeNAに取られてしまう(?)前に、「中日・谷繁監督」をもう一度見たいものだ。

 井上一樹は、矢野燿大監督(前阪神)が91~97年に中日の同僚だった縁で阪神ヘッドコーチを務めたが、中日時代の信望は厚かった。

【4】改革派=外国人監督も面白いのでは
・栗山英樹(61年生まれ、62歳。東京学芸大。通算336安打)
・工藤公康(63年生まれ、60歳。名古屋電気高。通算224勝)
・タイロン・ウッズ(69年生まれ、53歳。日韓通算1506安打)

 日本ハム時代2度のリーグ優勝、WBC世界一の栗山英樹監督、ソフトバンクを日本一に導いた、愛知県出身の工藤公康監督はどうか。

 最近の外国人監督の例ではトレイ・ヒルマン監督(03~07年日本ハム)、マーティ・ブラウン監督(06~09年広島、10年楽天)、アレックス・ラミラス監督(DeNA16~20年)がいる。ヒルマン監督は5年間で2度のリーグ優勝、ラミレス監督は5年間で3度のAクラス入りを果たした名采配を見せた。いっそのこと、中日4年間で計155本塁打を放ったタイロン・ウッズ監督で、現在とは対照的な「打ち勝つ野球」も面白そうだ。

 いずれにせよ、立浪和義監督のチームづくりで若手選手が一戦一戦育ち、来季劇的に優勝するのがもっとも望ましい。思えば「中島聡オリックス」も「高津臣吾ヤクルト」も2年連続最下位から、2年連続リーグ優勝だった。(年齢は7月10日時点)

(新條雅紀)