韓国第二の都市である釜山(プサン)がコロナ禍に大きな進化を遂げたことは、7月14日に配信した記事【釜山に行くなら「ビーチ」推し!進化した「海上散歩」「海辺列車」を現地リポート】で詳報した。「&TRAVELソウル」編集部が6月末に参加した韓国観光公社主催の視察旅行では、釜山から車で1時間ほどの古都・慶州(キョンジュ)も訪ねた。4つの世界遺産を擁する慶州は、いわば韓国の京都。王宮の復元が進み、歴史の街としての魅力を増しているほか、ニューレトロな名所も誕生していた。
朝鮮半島を統一し、紀元前1世紀から10世紀まで約1000年もの間、栄華を極めた新羅王朝が首都を置いたのが慶州。古墳など多くの文化財が残り、「屋根のない博物館」の異名をとる。韓国では修学旅行の学生たちも多く訪れる場所だ。
なかでも「仏国寺(プルグッサ)」は、1300年以上前の統一新羅時代751年に作られ、近くの石窟庵(ソックラム)とともに1995年に韓国初の世界遺産に登録された由緒ある寺院。当時の10分の1しか残っていないというが、それでも全て見るには1時間半はかかる。
到着すると、四天王像が迎えてくれる。そして、あちこちにカラフルな提灯。赤、青、ピンク、黄色、緑……お釈迦様の誕生日である旧暦4月8日(2023年は5月27日)の前後に多く飾られ、いつもあるものではないようだが、美しい。しばし撮影タイム。広い敷地内では、韓国の伝統色である赤、青、白、黄、緑の5色で塗られた建造物が新羅の仏教文化のきらびやかさを伝えてくれる。日本の寺院とは異なる趣。石造の橋や塔、圧倒な輝きの金銅製の仏像など、7つは国宝に指定されているという。
ランチに釜山名物「韓牛ユッケムルフェ」をいただいた後は、「大陵苑地区」へ。慶州は全域に古墳や史跡が点在し、「慶州歴史地区」としても世界文化遺産に登録されているが、大陵苑地区はなかでも、新羅時代の王や王妃、貴族の古墳が集中しているエリアだ。約15万平方メートルに23基の古墳が並び、「古墳公園」とも呼ばれている。装身具や武器が出土した「天馬塚(チョンマチョン)」は、その中に入ることもできる。