そして古墳公園から一歩外に踏み出すと、全く別の光景が目の前に。原宿・竹下通りを思わせる「皇理団(ファンニダン)キル」だ。「皇理団」という名前は、ソウルの梨泰院(イテウォン)にある若者に人気の通り「経理団(キョンニダン)キル」にあやかってつけられたもので、カフェやアイスクリーム店、占いの館や写真館、雑貨店、アパレルショップなどが約500メートルほど続く道の両側にぎっしり並ぶ。土曜日の午後だったこともあって、歩くのにも苦労するほどの混雑していた。ところどころに韓国の伝統的な家屋「韓屋(ハノク)」を改装した店舗もあり、ニューレトロな新名所となっている。
慶州のクライマックスは、穏やかな流れの広い川に架かる、赤と緑の鮮やかな橋「月精橋(ウォルジョンギョ)」だ。韓国最大級の木造橋で、『三国史記』には統一新羅時代の760年に架けられたと記されている。現在の橋は、2018年4月に復元されたものだ。夜景スポットとして知られ、ライトアップされるとご覧の美しさ。今後、この橋を中心に、新羅王京の遺跡の復元がさらに進められていくという。
川の中には飛び石が置かれていて、そこから橋の全景を眺めることもできる。ならばその全景を撮影しようと、カメラを抱えて飛び石へと降りたが、大股を広げてやっと届くくらいの間隔で50~60センチ四方の石が配置され、人とすれ違うのもギリギリ。カメラを落とさないように、ビビりながら撮った1枚がこちら――。
進化し続ける釜山と、新羅王朝の栄華を体感できる慶州を組み合わせれば、一度の旅でいくつもの思い出を持ち帰ることができる。視察旅行は駆け足だったが、写真の腕を磨いて(!)再訪したい。
(生活・文化編集部 永井優希)