そもそも「自分と合う人もいれば、合わない人もいる」ということは当たり前のこと。「すべての人から好かれるのは無理」なのです。にもかかわらず、嫌われることを恐れるあまり、自分を受け入れてくれない少数の人に気を使い続けていては、いつまでたっても悩みが消えることはありません。

 ほかにも嫌なことを断れない、自分の意見が言えなくなってしまうなど、さまざまなデメリットが生じます。ただわかっていても、すぐに意識を変えることは難しいのも事実。まずは、自分とは合わない人とは距離を置き、自分のことを好きでいてくれる人たちと積極的にかかわるようにしましょう。過ごしやすい場所に身を置くことによって、少しずつ「みんなから好かれなければ」というプレッシャーから解放されるはずです。

 全員に好かれなくてもなんとかなる。「敵もいれば、味方もいる」と割り切りましょう。

■「人に頼まれたら嫌でも引き受ける」を続けたら一生我慢が続く

イラスト/うのき
イラスト/うのき

 メンバーの一人だけが負担を強いられる状況は、友人関係のみならず、町内会やPTAなどでも起こりがち。その場の雰囲気にのみ込まれやすいタイプや断るのが苦手なタイプの人がターゲットになりやすいです。「不満を言ったらみんなに嫌われるのでは」とついつい言いなりになってしまうわけですが、これは自己防衛として断固拒否しなければなりません。

 その方法として、事前に「自分の言いたいこと」や「断りたいこと」を紙に書いて整理するのが有効です。自分自身で心構えをしておくことで彼らと会ったときに、「今回は引き受けるけど、次回からはお断りします」と宣言しやすくなります。

 ポイントは、急にグループを抜けるのではなく、彼らとの接触の間隔を徐々に空けていくことです。「最近ばたばたと忙しくて……」などと言い、少しずつ距離をとっていきます。連絡メールやLINEなども即レスするのではなく、最初は30分置いてから返信、次は1時間、そして2時間と放置時間をだんだん長くしていきましょう。

 他人ともめることを恐れてはいけません。「いまだけの我慢」と自分を許してしまった瞬間に、相手に隙をつかれて、その「いま」は「一生」続くことになってしまうのですから。

(構成 生活・文化編集部 端 香里)

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