現在、日本の脅威とされる中国だが、かつて日本の経済力は極めて大きく中国の経済とは雲泥の差があった。2000年の時点で日本のGDPは中国の4倍の大きさ、まさに圧倒的な違いがあった。
しかし、日本の退潮に呼応するかのように中国の経済力は増していった。2010年に中国は日本のGDPを追い越し、2020年には中国はたった10年で日本の3倍近い差をつけてしまった。
では将来はどうなるのか?
世界最大級のコンサルティング会社PwCが2017年に発表した調査レポート「2050年の世界」では、2030年と2050年の世界各国のGDPの予想を発表している。
それによれば2030年には日本のGDPはインドに抜かれ、世界第4位となる。アメリカを抜いて中国がトップとなり日本との差は6倍となる。
2050年には日本はインドネシア、ブラジル、ロシア、メキシコにも抜かれ世界第8位となり、中国は日本の8.6倍、つまり日本のGDPは中国の11.5%となる。
アジアの中規模国の一つになってしまえば日本の外交力は格段に下がる。アメリカが日本を同盟国として尊重するのは日本の国力があってのことだ。日本が中国の1割程度の経済力の国になればアメリカの日本に対する見方も変わるだろう。
中国の圧力に対して日本は自国を守り切れるのか、人口問題は日本の国家安全保障とも直接的につながることになる。
■若者の海外流出
日本ほどの深刻な高齢化と人口減少の同時進行は世界では他に例がない。しかし、世界には日本以上のスピードで人口減少が進んでいる国がある。そこでは何が起こっているのだろうか?
ロシアのウクライナ侵攻前、ビジネスインサイダーの「2050年までに最も大きく人口が減る国 ワースト20」(2019年10月15日、Andy Kiersz)4では、ヨーグルトで日本にもなじみのある国、ブルガリアが人口減少1位に挙げられている。ブルガリアの人口は2050年までに人口の2割以上、22.5%減少するという。