(写真はイメージ/GettyImages)
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 マッサージを毎週1回とか月1回と決めて受けている人は多い。しかし、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で精神科医の西多昌規さんは、「マッサージの効果をスポーツ科学的に見てみると、実は運動直後にマッサージを施し、体に疲労物質がいるうちにリフレッシュしたほうがよい」という。「直後のマッサージによって、筋肉にたまっている。

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 乳酸などの疲労物質の分解や代謝が早くなる」という。西多さん監修の『やめてもいいこと86 心の疲れをとる事典』(朝日新聞出版社)から、疲れた直後のマッサージが効果的な理由を紹介したい。

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イラスト/うのき
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 ハードな仕事や家事で凝り固まった体をほぐされていく至福の時間。即効性が高い上に、精神的なリラックス効果もあるマッサージほど癒しを与えてくれるものはありません。なかには、給料日後のご褒美として贅沢な「月イチ」マッサージを習慣にしている人も少なくないでしょう。

 しかし、マッサージの効果をスポーツ科学的に見てみると、実は運動直後にマッサージを施し、体に疲労物質がいるうちにリフレッシュしたほうがよいのです。よくスポーツ選手が試合後すぐにマッサージを施術されている映像がありますが、あれは運動による筋肉痛を和らげるためではなく、「筋肉痛を予防する」目的で行われています。

 直後のマッサージによって、筋肉にたまっている乳酸などの疲労物質の分解や代謝が早くなるのです。つまり、私たちもマッサージを受けるときには、「月1回」「週1回」と時間をあけずに、「疲れたすぐあと」のほうが疲労物質の分解には効果的だということです。

 ですので、月イチの楽しみとしてとっておくのではなく「疲れたらすぐに短時間マッサージ」に切り替えてみてはいかがでしょう? 短時間コースならば料金も安価で、贅沢マッサージの予算内で何回も通うことができます。

■「だるーい」「しんどい」が口癖なら軽度な運動もおすすめ 

イラスト/うのき
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 「疲れ」は、「痛み」や「発熱」と並び、体の異常を伝える三大生体アラームと言われます。十分休んでも疲れがとれず、慢性的に「だるーい」「しんどい」が口グセになっているようなら、休みをとるのではなく、あえてゆるい運動が効果的かもしれません。

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「疲れ」の疲労回復に適度な運動が効果的な理由は?