新システムを導入時に峰松会長が頼ったのが、PTA業務の効率化と保護者の負担軽減を後押しするサービス、PTA’S(ピータス)だった。合同会社さかせる(川崎市)が運営するPTA’Sには現在、全国約1275のPTAが登録する。
「PTA’Sに相談した結果、オリジナルのシステムを開発したほうがよいことがわかりました。費用はトータルで約14万円。PTAの予算でまかなえる金額でしたので『旗当番シフト作成ツール』の採用を決めました」(同)
■仕事の分担が進むアプリ
PTA’Sはほかにもさまざまな製品やサービスを提供している。
サイボウズと協力してつくった「kintone(キントーン)PTA専用アプリパック」もその一つで、行事カレンダーや日程調整、経費精算、会議の議事録や行事報告書などの8個のアプリがまとめられている。
滋賀県野洲市立中主(ちゅうず)小学校PTA(会員数514人)は昨春、このアプリパックを導入し、校名とPTAをもじった「チュピトーン」という愛称をつけた。
同校PTAの鈴木健(たけし)元会長は「3年前、副会長をしていたときに書類作成や印刷がめちゃくちゃ大変だった」と、チュピトーン導入の経緯を振り返る。
当時、特に大変だったのが通学路のパトロールを担当する地区委員会で、約20の地区から上がってきた紙に書かれた情報をパソコンで入力して報告書にまとめたり、資料をつくったりする必要があった。
「地区委員の人が『もう、本当に大変だった』と、ものすごく疲れた顔で言っていたのが頭の中にずっとひっかかっていた」(鈴木元会長)
昨年、会長就任を機にチュピトーンを使い始めると、「PTAのお手紙」などをスマホの画面などで確認できるようになり、印刷物が7割も減った。「作業時間の短縮にもなり、すごく楽になりました」(同)。
過去5年間の書類もデジタル化して「PTA総会」「運動会」など、タグをつけてクラウド上に保存した。
「これまでは必要な書類を誰が持っているのかわからなくて、他の役員に聞いてまわったりしていたのですが、書類を探す手間もなくなりました」(同)