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Aさん:ごめんなさい! うっかりしていました……。
Bさん:気にしないでください。
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Bさん:私もよくやるんです。気にしないでください。
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「大丈夫よ! 私もよく忘れるの」「気にしないで、私もそこ、よく間違えちゃうのよね」。ちょっとしたミスや思いちがいの場面で、よく使うことばです。こんなふうに言われたら、相手のやさしさを感じられて、心があたたかくなります。
以前、打ち合わせに、肝心の資料を忘れてきた人がいました。急いで取りに戻りますと言いながら、気の毒なほど恐縮しています。どうして出がけに確認しなかったのかなと思うのですが、その姿を見ていたら、ささいな怒りはおさまっていきます。むしろ、こんなに混乱していて、慌てて事故にあったり怪我をしたら大変と思い、「私もよくやるよ」とフォローしました。
厳密ではありませんが、主に「やる」は行為、「ある」は状況に使います。「私もよくある」のほうが難しいかもしれませんね。たとえば、プレゼン中に言い間違えたときは「やる」、言うことを忘れたときは「ある」。電車に乗り遅れて遅刻したときは「やる」、電車が車両故障などで遅れたときは「ある」です。
気にしすぎる相手には、効果てきめん。もちろん、大きすぎるミスには「私も」とは言えませんが……。
謝罪を受けている場面であなたがもし相手を許すのなら、できるだけ早く相手の気持ちを軽くしてあげたいものです。そんなときに、ちょい足しことばは大活躍。相手をホッとさせてくれます。
(構成/三宅智佳)