コミュニケーションに悩みがある人に試してみてほしいのが、「ちょい足しことば」です。TBSアナウンサーとして活躍後、アナウンサーや有名企業などの重役から新入社員まで、さまざまなビジネスの現場でコミュニケーション法を伝授してきた今井登茂子さんが提案するのは、「いつも使っている表現に、ひとこと足すだけ」というシンプルな方法。新刊『さりげなく品と気づかいが伝わる ちょい足しことば帳』でも紹介し、謝罪相手の気持ちを軽くする“おわび受け”の「ちょい足しことば」を、自本書より一部を抜粋・改編してお届けします。
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■自分だって助けてもらうことがあるから
同僚が風邪で仕事を休んだ際、「こんな忙しいときに休んでしまって申し訳ない」と、深く落ち込んでいる、という場面は、きっと誰もが体験したことがあるのではないでしょうか。そんなときにちょい足ししたい、とっておきのことばがあります。
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Aさん:忙しい時期に風邪をひいてしまって、本当にごめんなさい。
Bさん:いえいえ、気にしないでください。
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Bさん:いえいえ、気にしないでください。私のときもよろしくね!
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実はこれ、私の知人から聞いた実話です。体調不良で休んでしまった女性に会社の先輩がかけたことばが、「大丈夫大丈夫、やっておくから気にしないで。私のときもよろしくね!」でした。あとからその女性が、「あのひとことに救われた」と笑顔で話していたそうです。
そのエピソードを聞いてから、「私のときもよろしくね!」は、私の職場でもみんなが好んで使うようになり、すっかり定着しました。
忙しいときなど、ミスや予想外の休みに、自分を責めてしまう人は多いものです。でも、誰だっていつ病気になったり、ミスをしたりするかわかりません。
「大丈夫、今回は私に任せて。でも、もし私がダウンしたときは頼むね」というお願いをしておけば、貸し借りなし。とくに責任感の強い人は、文字通り心が「軽く」なるはずです。
休むことは権利なのですから、みんなでこのちょい足しことばを言い合って、気持ちのいい職場にしてくださいね。