「スポーツも教育も、人と関わる仕事。音楽をトピックにしつつ、コミュニケーションを語るというのはどうかと。サブテーマもお願い、とやればそれも出してくれるし、もちろん、すぐに英訳も出てくる。ディスカッションのあり方が変わるなと強く感じますし、議論のたたき台を提供するという点でもすごく効果的だとわかりました」
ただ、パネリストは教育問題やエンターテインメント業界の専門家で、などチャットGPTはここでもやはり「高度な」提案をしがち。そこから学生たちのオリジナリティーや視点を付け加えたり変更したり、が始まる。そんな体験を、学生たちにたくさんさせたいのだと山中さんは言う。
「『チャットGPTが英訳も和訳もやってくれるなら、英語教育など要らないじゃないか』という声もありますが、ある面、その通り。チャットGPTをみなが使えるようになればなるほど、英語を本当に『自分のもの』にしたり、『その人にしかできないオリジナリティーのある表現』を作っていかざるを得ない。そこにちゃんとシフトしていけば、英語教育は意味あるものにできると考えています」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2023年7月10日号より抜粋