肉をパックのまま冷蔵庫で保存している人は多い。しかし、パックのままの保存では酸化が進み、傷みやすいという。どのように保存すれば、肉の鮮度をキープできるのだろうか?東京農業大学元教授で農芸化学博士の徳江千代子さん監修『もっとおいしく、ながーく安心 食品の保存テク』(朝日新聞出版)から肉の冷蔵・冷凍保存のテクニックを紹介する。
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■パックに入ったままでは肉が空気に触れやすく酸化が進む
鮮度が命ともいえる肉。購入後はチルド室かパーシャル室へ入れて保存することをおすすめします。そのときに気をつけたいのが保存方法。
「未開封だし、パックのまま保存しても大丈夫!」と、買ってきた状態で保存するのは絶対にNG。
パックに入ったままでは、肉が空気に触れやすく酸化が進み、カビや雑菌が繁殖し傷みやすくなります。
■肉はペーパータオルで包んでラップをしてチルド室で冷蔵保存
肉を冷蔵するときは、肉から出たドリップをよく拭き取ることが重要。水分が多いと傷みやすく、旨みも落ちてしまいます。
ペーパータオルで余分な水分を吸収しながら冷蔵しましょう。酸化を防ぐため、ラップでぴっちり包んでからポリ袋に入れてチルド室かパーシャル室で保存します。上に保冷剤をのせるのがおすすめです。
■肉をそのまま冷凍保存するのはNG! 氷水につけてから冷凍するのがポイント
肉を生のまま長期保存させたいときは、氷水にくぐらせてラップに包み冷凍を。こうすることで肉の表面にグレーズと呼ばれる氷の膜ができ、氷膜から水分子が蒸発している間は水分が保たれて、冷凍中の乾燥や酸化を防いでくれるのです。
これは、肉だけでなく、魚介類にも使える優れた冷凍法。どちらにしても急速冷凍が鉄則です。
■下味をつけて冷凍保存すると調味料でジューシーな味わいに
調味料に含まれる塩分、アルコール、酢などには雑菌の繁殖を抑える働きがあるので下味をつけると日もちします。